猪瀬直樹・東京都知事が徳洲会から借りたという「5千万円」問題が大きな波紋を呼んでいる。永田町では、「五輪利権」の主導権争いが始まった。今回の猪瀬知事の一件をよりややこしくしているのが、施設整備費約3500億円と試算される東京五輪なのだ。
「東京五輪の建設利権の一部は、すでに石原氏の関係で押さえられているという見方もあり、自民党としてはおもしろくない。猪瀬氏に釘を刺すということは、五輪利権の主導権争いでもあるのです」(自民党関係者)
11月29日に始まった都議会は大荒れ必至である。もともと猪瀬氏と都議会の不仲はよく知られている。特に自民党都連幹事長で、都議会の“ドン”、内田茂議員とは折り合いが悪く、いまや自民党内からも「猪瀬はもたないだろう」との声があがる。
「もう辞職して選挙しかない。公明党はこの時期の選挙を嫌がっていますが、このまま猪瀬氏が議会で説明責任を果たせなければ、今後の来年度予算審議や東京五輪関連の手続きにも支障が出る。そうなれば進退にもかかわる」(都議会自民党関係者)
周辺では、早くも次期都知事選候補の名前が飛び交い始めた。
「かつて都知事選で石原氏とも戦ったことがあり、現在浪人中の舛添要一氏が筆頭でしょう。石原氏が都教育委員などのポストに起用し続け、現在、首都大学東京理事長の川淵三郎氏の線もある。Jリーグ初代チェアマンとしてスポーツ色が強く、五輪開催の“顔”になりますから」(都議会関係者)
「民主党も動くだろう。菅(直人元首相)さんあたりは黙っていない。日本維新の会の東国原英夫衆院議員も色気があるはず」(野党関係者)
さらには、こんな話も。
「局内では、キャスターの安藤優子氏の名前が出ている。本人もまんざらでもない様子です」(フジテレビ関係者)
※AERA 2013年12月9日号より抜粋