アローン/アンドレ・プレヴィン
アローン/アンドレ・プレヴィン

芸達者なプレヴィンが、さらりと弾いたバラード集
Alone / Andre Previn

 クラシックを演奏するジャズ・ピアニストはこれまでに多々いたし、ジャズに挑戦するクラシック・ピアニストも何人かはいた。しかし両方のジャンルで質・量共にかなりの実績を残しているピアニストとなると存在は限られてくる。その稀有な1人がアンドレ・プレヴィンだ。

 1940~50年代は西海岸ジャズの立役者となり、ハリウッドのアレンジャーとしても活躍。60年代にはクラシックへ転身し、有名交響楽団の指揮者を歴任。80年代以降はジャズ界にも復帰して、ジャンルを股にかけて活動している。

 近年はデュオやトリオの作品が多かったプレヴィンにとって、これは久々となるソロ・アルバムだ。過去にレコーディングしたナンバーも含めて、バラード・スタンダードを集めたもの。13曲中9曲が2~3分台の演奏ということもあって、さらりと弾いてみました、という趣が感じられる。現代の長時間化傾向とは逆を行くあたりに、名曲たちそれぞれの歌詞を踏まえて、簡潔に自分を表現しようとのプレヴィンの思いが滲む。様々な経験を重ねて今年78歳を迎えたからこそ達したこの境地。プレヴィンがバド・パウエル譲りのビバップを基盤に自己のスタイルを築いたことや、60年代にビル・エヴァンスが好んで演奏した《ユーアー・ゴナ・ヒアー・フロム・ミー》がプレヴィンのオリジナルであることを再認識した。自作曲《ダーケスト・ビフォー・ザ・ドーン》も収穫だ。

【収録曲一覧】
1. Angel Eyes
2. Second Time Around
3. Andre’s Blues
4. Darkest Before The Dawn
5. What Is This Thing Called Love
6. Night And Day
7. Bewitched,Bothered And Bewildered
8. I Can’t Get Started
9. My Ship
10. Skylark
11. I Didn’t Know What Time It Was/Ship Without A Sail
12. It Might As Well Be Spring
13. You’re Gonna Hear From Me

アンドレ・プレヴィン:Andre Previn(p) (allmusic.comへリンクします)