快眠コンサルタント友野なおさんシルクのパジャマと、自身が考案した快眠ゆるソックスを愛用中。冷房の冷えを解消するには、就寝前に手足や首筋を温めてアロマでリラックス。鎮静効果のあるギャバ成分を含んだトマトジュースを入浴後にとるのもいい(撮影/高井正彦)
快眠コンサルタント
友野なおさん

シルクのパジャマと、自身が考案した快眠ゆるソックスを愛用中。冷房の冷えを解消するには、就寝前に手足や首筋を温めてアロマでリラックス。鎮静効果のあるギャバ成分を含んだトマトジュースを入浴後にとるのもいい(撮影/高井正彦)
快眠ゆるソックス(撮影/高井正彦)
快眠ゆるソックス(撮影/高井正彦)

 健康と深いかかわりがある睡眠。実は、ダイエットとも関係があるらしい。

 適切な睡眠をとることで自然と痩せる──自らの体験から「眠活」を提案しているのが、睡眠コンサルタントの友野なおさんだ。眠活とは、眠る前1時間、7.5時間の睡眠、そして起床後30分の過ごし方にこだわる独自の体内メンテナンス法のこと。社会人になりたてのころ、友野さんは今より10キロ近く太っていた時期があった。寝る時間もバラバラで、休日には寝だめを決行。体内リズムは狂いまくり、不眠症になったこともある。

「菓子パンとラーメンがどうしても我慢できなかったんです」

 このままではダメだと、ダイエットに挑戦したが全く続かない。それどころかリバウンドの繰り返しで代謝が悪くなり、極度の冷え性に陥った。それを劇的に変えたのが、毎日規則正しく眠ることだった。途端に体重がするする落ち、気づけば半年で7キロ近い減量に成功。

「寝なければカロリーを消費して痩せるというのは大きな間違い。寝不足になると食欲増進のホルモンが分泌され、脳は食べろと指令を出し続けます」

 以来、睡眠とダイエットについて勉強と実践を重ねた。そんな睡眠のプロが実践している夏の安眠テクを紹介しよう。まず注目したいのは、敷寝具の素材だ。一般に人が寝苦しいと感じる大きな原因は、背中のムレ。友野さんによれば、体と寝具の間の寝床内(しんしょうない)温度が33度だと、人は安眠しやすいという。夏の間その温度を実現するには、眠る2時間ぐらい前からクーラーの温度を25、26度に設定しておく。就寝時は27、28度くらいで2、3時間のタイマーをかける。

「スムーズな入眠のコツは、30分ほど寝床で静止していられる快適な状況を作り出すこと。ベッドの中の冷たい場所を探して寝返りを打ってしまうようでは、いつまでたっても深い眠りに突入できません」

 さらに水分を放出する特殊な繊維を用いた接触冷感素材や、麻などを使ったマットレスやシーツがいい。暑いからといって、裸で寝るのはNGだ。涼しいように思えるが、ムレやすく、かえって体感温度が上がってしまう。Tシャツや短パンなど、部屋着のまま寝る人も要注意だ。寝返りで寝具との間に摩擦が生じ、骨盤がゆがむ恐れもある。

 それを防ぐには、

「シルクか綿の長袖長ズボンのパジャマが一番。寝汗によるムレや冷房による冷えを防ぎ、寝返りのしやすさも段違いです」

AERA  2013年9月2日号