では、同じ未婚でも「お金のあるキャリア姉」の場合はどうか。
ある40代の3姉妹。妹2人は結婚して子どももいるが、一番上の姉は大手企業の管理職で未婚。仕事に没頭するタイプで、最近も自身が手掛けた企画が大ヒットした。大学を卒業後、就職して現在に至るまで実家で暮らしているため、家事全般は母にまかせっきり。着た洋服も、「クリーニング出しといて」と平気で頼むなど、まるで“マネジャー代わり”に使っているが、母は「うちには旦那が2人いるから」と、せっせと世話を焼いている。
一番下の妹に言わせると、この姉は幼い頃から勉強ができる優等生タイプで、「働かざるもの食うべからず」というのが口癖だ。
とはいえ、今は70代の母もまだ元気だからいいものの、将来、もし何かあったら……。ただでさえ仕事一辺倒の姉に母の面倒を見てもらうというのはまず無理だろうし、そもそも父と姉の日常生活を一体誰がまわすのか。姉は貯金で何とかなる、という思いがあるのかもしれないが……。
では、姉側の言い分はどうなのか。
「妹側からの数々の批判は独身貴族を謳歌している姉へのやっかみもあるのでは」という50代の「未婚姉」の女性もいたが、実際のところ、子離れできない高齢の親にとって同居を続けている未婚の娘の世話が「生きがい」となっていたり、中には「介護要員」として親族からアテにされるなど、無言のプレッシャーで今更身動きが取れなくなっていたりするケースもあるだろう。
※AERA 2012年12月3日号