近年、ネットオークションなど個人同士の商品の売買が気軽に行われるようになった。そんな中、金融機関がほぼ独占していたお金の貸借にも、消費者同士が「握手」する場が出てきている。
AQUSH(アクシュ)はサービスを始めて3年だが、利用者数はすでに1万人を超える。金利でなく、貸し手と借り手の双方から手数料を取って消費者間を仲立ちする。お金を借りてローンを組みたい個人に対して、小口の個人から広く資金調達するのだ。
AQUSHの運営会社には大手銀行出身者が参加し、金融庁への登録もしている。同社によると、個人のローンに「投資」した場合、平均利回りは7%近いという。「出資者」の平均は37歳で、「出資額」は平均で約38万円。一方、借り手側の平均金利は9%で、ローン契約者の平均は28歳、平均借入額は約28万円。1件当たりの平均投資家数は80人で、貸し倒れ率は0.6%台と低い。資金の出し手が複数の借り手に分散される仕組みなので、たとえ貸し倒れても大きな傷を受けない。
運営会社の大前和徳副社長は、
「ネットオークションの金融版です。借り手は銀行や消費者金融よりも低い金利で借りられ、貸し手も5万円から投資ができる。貸し手と借り手の距離を縮められる」
という。
※AERA 2012年11月26日号