日本選手権の決勝結果のみで選考する方法は、2004年アテネ五輪から採用しました。ほかの競技に比べても選考基準が明確で、記録と勝負の二つのハードルをクリアした選手だけが五輪出場権を得る選考の仕組みは、日本の競泳のレベルを引き上げる原動力の一つだと考えています。
日本オリンピック委員会は東京五輪で金メダル30個という目標を掲げています。競泳チームはこの目標達成のために貢献できる潜在能力を持っています。
メダル6個(金2、銀2、銅2)を獲得した昨年の世界選手権を終えて、私は「若手の発掘、強化」という課題を挙げました。
水泳連盟としても優秀な選手の合同合宿や海外派遣など長年かけてジュニアの強化を続けていて、今回好記録を出した佐藤のほかにも若手の有望選手は数多くいます。選手もコーチも五輪という目標に向けて、本気で努力してほしい。
北島康介杯で私のチームは、課題は残るものの女子の選手がまずまずの結果を出しました。一方、体調を崩して大会前に十分な練習ができなかった萩野公介は、2日目以降を棄権しました。年末年始はいい練習ができましたが、試合の結果が自信につながるし、現在の力を知ることにもなるので、出場できなかったのは残念です。次の試合に向けて立て直しを図っていきます。
(構成/本誌・堀井正明)
※週刊朝日 2020年2月14日号