経費割合が5割以内のA社とB社は、寄付額は3万円の設定で問題ない。

 しかしC社の場合、5割を超えるため、寄付金の額や返礼品の内容を変えるなどの対応が必要になる。

 サイトによっては、利用者獲得のため、一定期間、金券をつけるなどのキャンペーンを実施しており、そうしたコストも寄付金の額に影響してくる。

 これらを踏まえ、ふるさと納税の返礼品を選ぶ際、利用者はどんな点を留意すべきだろうか。

■返礼率の良い品 サイトで比べる

 ポイントは「返礼率(還元率)」だ。寄付した額に対する返礼品の金額の割合のことで、以下の計算式で算出できる。

 返礼率(還元率)=返礼品の販売価格÷寄付金額×100

 返礼率が高いということは、単純に考えれば「費用対効果が高い」ということになる。

 第一生命経済研究所の永濱利廣さんはこう指南する。

「ふるさと納税をお得に利用するには、数あるポータルサイトを丁寧に比較することです。膨大な品物の中から、自分が本当に良いと思ったものについてまずカテゴリーで絞り込む。サイトを比較して希望に近い商品、同一商品の価格差もきっちりと確認する。そしてできるだけ返礼率が良いものを探す」

 自治体のコスト負担が少なく、寄付金がコストに割かれず、希望の寄付額により近い額で届けられるサイトを選ぶのが効果的ということになる。

 ただ、法改正で自治体間の競争は落ち着いた感がある一方で、サイト間での寄付金の奪い合いは激化の様相を呈している。総務省の担当者はこう話す。

「自治体に対しては規制する法律があるが、民間業者に対してはない。自由競争でもあるので、私たちとしては『ふるさと納税の趣旨に沿った方向でお願いします』と協力を呼びかけることくらいしかできない」

 制度に対しては、当初から批判的な声が根強くあることもたしか。

 朝日新聞が実施した昨年のアンケートでは、ふるさと納税をしていますか、との質問に約1600人が回答し、8割近くの人が「いいえ」と答えていた。

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