「逮捕されたときは驚かされたが、出国では彼らを驚かせた」
【写真】作業着!?報道陣の目を欺こうとするゴーン被告衝撃の姿
こうスペインのメディアに語ったのは、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)。世界中の注目を集めたレバノンへの「大」逃亡の時期を昨年末にした理由について、1月17日付のスペイン紙「パイス」がインタビューを報じたのだ。
――逃げるのに12月30日を選んだのはなぜですか?
「(日本の)人々はリラックスし、休暇を取り、スキーに出かけたりする時期だからだ。良いタイミングだった」
ゴーン被告は1月8日のレバノンでの会見以降、自ら選別した各国のメディアの取材に積極的に応じている。派手な逃亡の足取りもほぼ分かってきた。
様々な情報をまとめると、ゴーン被告は去年12月29日午後2時半ごろに、帽子をかぶりマスク姿で港区の制限住居を出発。六本木のホテル「グランドハイアット東京」で2人の支援者、米国の民間軍事会社に所属する米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員マイケル・テイラーとジョージ・ザイエクと合流した。その後3人はタクシーを利用し、分乗して品川駅に行き、新幹線で新大阪駅に移動。同日夜、関西空港近くのホテルに入った。
「ゴーン被告は当初から新幹線を使うことを考えていた節がある。列車のカメラ解析は街頭にある防犯カメラや警察のNシステムなどに比べ、入手と解析に時間がかかるためだ。元隊員が、ある程度街頭カメラなどに映っても構わないと考えたのでは。むしろ解析の時間稼ぎを指南したのではないか」(警察関係者)
今回の逃亡、その後の会見の動きについて、ジャーナリストの須田慎一郎さんは次のように分析する。
「ゴーン被告はとにかく日本にいることが精神的に耐えられなかった。日本の司法制度では名誉回復が図れない。日本のメディアにも真意を話せなかった。だから広報コンサルタント会社と提携し、早くから計画を進め、メディアを選択し、取材に応じる形にしたのでしょう。日本での名誉回復を図るために段階的に各国のメディアに情報を小出しにしていると考えることが出来る。このイメージアップ戦略には明確なゴールが設定されているはずです」