



元TBS記者の山口敬之さんから性暴力を受けたと訴えてきたジャーナリストの伊藤詩織さん。12月18日に民事裁判で勝訴したことを受けて19日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見を開いた。
伊藤さんの会見に先立ってあった山口さんの会見に伊藤さんは出席。直接のやり取りはなかったが、山口さんの主張を聞いた。
伊藤さんは自らの会見で、「セカンドレイプ」の問題に言及。被害を公表してから誹謗中傷されることが相次いだとして、性被害者を沈黙させないためにも、法的措置をとるとした。
伊藤さんの会見での冒頭の説明や、記者との主なやり取りは次の通り。
【冒頭の説明】
昨日判決が出まして、私が正しかったと証明されました。実は、どうなるかわからなかった。非常に心配していましたけど、私たちは頑張りました。刑事事件に期待をかけましたができなかったので、今回は一生懸命私たちの要求が正しいと判断されるように頑張りました。こんなにポジティブな結果が出たことには驚きを感じています。これは日本の性暴力を止めるきっかけになったと思っています。
判決でうれしかったのは、私が今までメディアに話したことや、(著書の)『Black Box』で書いたことが事実でありかつ公共性や公益性があると認められたことです。真実を公表しても名誉毀損(きそん)で罰せられる可能性もありますが、私が話したことに公共性や公益性が認められたことは非常にうれしかった。
民事裁判をやりたかったのは、刑事事件の過程で集められた証拠や証言を、最終的に公開できるからです。みなさんに私たちが議論したことや、集めた証拠を見ていただきたいと思います。私が正しかったことが証明されましたが、それよりも、プロセスを可視化できたことが重要です。
判決では性行為に同意がなかったと認定されました。日本の強制性交罪などでは、同意の有無がそれほど重要とされていません。暴行された人がどれだけ被害を受けたかを、証明しなきゃいけないことになっています。同意がなかったことに加え、暴行や脅迫があったことを被害者側が証明しないといけないのです。2017年に刑法が改正され性犯罪は厳罰化されましたが、まだ不十分です。法律を見直す時期が来るので、同意がなかった性行為を罰するようにすべきだと思います。