中曽根氏の大きな功績の一つは日米関係だ。当時のロナルド・レーガン米大統領とは、「ロン」「ヤス」と呼び合う関係を築いた。

「米国と深い関係を結んだのは、抑止力を期待してだろう。現在のようなべったりの、対米追従ではない関係を作っていたと私は評価している」(田原氏)

 その人柄についてこう話す。

「建前を言わずに本音をガンガン言うのが印象的だった。私に対しても同じだった。そういう意味で信用できたし、政治家としては珍しい、裏表のない気持ちのいい人物だった」

 2008年に本誌で、田原氏と対談した中曽根氏は、こう語っている。

「日本人にもっと活力と夢を与えること。これは政治が責任をもってやらないといけません」

(本誌・上田耕司、秦正理)

週刊朝日  2019年12月13日号

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