10月28日、フェスティバル・ミューズを務めた第32回東京国際映画祭のレッドカーペットに登場した俳優の広瀬アリス。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。
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自慢じゃないが、あたしもこのレッドカーペットを歩いたことがあるんだけどね。止まったリムジンを見守っていると、女優のセクシーな足が、開いた後部座席のドアから……みたいな演出があってさ。
で、今年、そのレッドカーペットにトップバッターで登場したのが、彼女だよ。巷で誰でも着ているような、はやりのビッグシャツからのアレンジかね。肩も袖もブカブカで、おっ立てた襟の前立てには、フェミニンなフリルが裾までつながってる。そんな誰でも考えつきそうなデザインで、おまけに足元はハーフブーツだもの。これなら一般人にも受けがよさそうだよね。
ま、昔はスターといえば、別世界の人。ファッションも、一般人の度肝を抜く華やかさがあったもんだよ。そう考えると今は、代官山あたりを歩いている女の子も女優も、見分けがつかないもんな。だいたい全身ユニクロで現場に来るスタイリストもいるくらいで、スタッフからして質が低下。おまけにスポンサーや各方面に配慮しすぎるから、この手の当たり障りのないどうでもいいファッションが幅を利かせるんだよ。あー、嘆かわしい。
■評価は……?
3DON!「一般の女性ならとても素敵です」 ※満点は5DONです。
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2019年11月15日号