放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「物忘れの気まずさを解消するルール」について。
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全国のいまだこっそり使い続けているガラケーユーザーのみなさま。ここ数年、ガラケーを開くことにちょっと恥じらいを感じながら使用しているかもしれませんが、先日、ガラケーを使っていることでヒーローになれた瞬間があったので、ご報告します。
あらためて書きますが、僕はスマホとガラケーの2台持ち。一番の理由は電話で話すことも多く、それを考えるとガラケーのほうがよい。と、言ってますが、なんとなく手放せないというのも本音。先日、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に仕事で行ったときに、現場でグイグイ仕切っていた女性は、ガラケーを使用していました。電話することが多いのでガラケーを使っているのでしょう。ポケットからガラケーを出してパカ~ンと開けた瞬間、なんでしょう、同志を見つけた感じがしました。輝いて見えました。
と、こんなふうに、何かとガラケーを使っている人を尊敬してしまう僕ですが、最近、強く思うのは、災害の現場ではガラケーが強いということです。
僕の実家、千葉県南房総市の家も台風でちょっとやられたりして。あのときに、母と電話がつながらなくなり、なぜだか、ショートメールだけつながるということがありました。
もし停電したら、まず充電できません。その中で、スマホだけだと、電池の減りもガラケーより早く、不安になります。ガラケーの電池はかなりもつ。スマホと2台持ちしてるからこそ、減りの違いがよくわかる。
実は来年あたり、いよいよガラケーを手放し、スマホ2台持ちにしようかと思っていたのですが、自分の実家が被災してからは、少なくとも、あと2年はガラケーを持とうと決めました。が、ガラケーを人前で出して使うことに日に日に羞恥心(しゅうちしん)が出てくる中、先日、みんなの前で堂々と出すことができました。ガラケーを。