同作で八千草さんの息子役としてデビューした俳優の国広富之さんが、「母」の死を悼み、本誌に語ってくれた。

「デビュー作でとても優しい母親役を演じていただき、その後45年間、俳優を続けてきたなかで、同じ俳優としても、生涯現役でいらっしゃったということはとてもうらやましくもあり、尊敬もしていました。当時はまだ40代でした。おきれいな方で、自分の母親とも同年代でしたし、会うたびに緊張する存在でもありました。会えなくなるのはとても寂しくて残念です」

 葬儀はすでに近親者の間で済ませ、お別れの会などの予定はないという。

 映画「宮本武蔵」、「蝶々夫人」、「ガス人間第一号」、テレビドラマ「阿修羅のごとく」、「独眼竜政宗」、「やすらぎの郷」など、数多くの出演作の中で、その美しさはいつまでも色あせることはない。
(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事