“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、「消費税1%引き上げ」を提言する。
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テニス仲間のウジイエさんに久しぶりに会ったら、「フジマキ君、今何しているの?」。突然聞かれても答えに困る。このコラムしか連載していないから、コラムニストというにはおこがましい。講演もしているが、昔と比べると頻度が減ったから講師というのも気恥ずかしい。本を書いてはいるからライターとでも答えようかと思ったが、出てきた言葉は、「何となく生きてます」。「それじゃだめだよ」と活を入れられた。
動揺したせいか、その日は連敗。落選以来テニスでも負け癖がついたかのような惨敗だった。悔し~い!!
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先週号で、日本は増税よりも「小さな政府」を目指し減税すべきだと書いた。民間主導で政府が出しゃばらないのだから税金は少なくてすむ。しかし、どの税も一様に減税すべきだとは思っていない。減税すべき税と、減税しないかむしろ増税して、将来の中心的な税にしなくてはいけないものがあると思っている。
経済発展のために法人税や所得税などの直接税を減らし、消費税のような間接税は増やすべきだ。昔盛んに吹聴され、今では死語になった感のある、「直間比率の是正」が必要なのだ。
9月30日付日本経済新聞の「主要国、消費税が頼り」ではこう指摘している。
「(主要国では)日常の消費に広く課税する付加価値税は法人税や所得税より景気変動の影響が小さく、社会保障などで拡大する財政を支える税として頼りにされている」
「グローバル化とデジタル化の加速で企業や個人の所得は正確な把握が難しくなっており、消費への課税は一段と進みそうだ」
消費増税の国際的な潮流には、それなりに理由があるのだ。累進的に課税される所得税だと、働いても働かなくても同じことになりかねず、国全体の勢いがなくなってしまう。
中国では税収全体の4割を消費税と同じ付加価値税が占めているとされる。日本の消費税収は3割なので中国よりも低いのだ。