室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家・室井佑月氏は、消費増税に関するマスコミの姿勢に疑問を呈する。

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 9月27日付の「RUGBY REPUBLIC」によると、

「ラグビーワールドカップ2019組織委員会は9月27日、開幕からの1週間で、観客動員数は延べ42万人を超え、1試合の平均観客数は3万5520人を記録したと発表した。(中略)チケット販売も好調で、現在、販売可能席の97%が販売済みとのこと」

 なんか、日本チームが強い国のチームに勝つなど、奇跡みたいなことが起こっているらしいじゃん(ごめん、見てないので詳しくないの)。

 もちろんあたしが言いたいのは、そんなことじゃない。

 メディアが本気を出せばこうなる。彼らが国民に本気で伝えたいことがあったなら、ちゃんと伝えられる。宣伝する気になって宣伝したら、国民を沸かせられる。

 選挙が近くなったら、アナウンサーが、「投票は○日です。投票にいきましょう」

 そう必ずアナウンスするが、ほんとはやる気がないんだろうな。

 ほんとの本気で多くの国民の足を投票所に向かわせたいのなら、とっくの昔にそうできているはずだもん。

 なぜそれをしないのかというと、そこに金が発生しないからなのかもしれない。

 自民党は組織票が多く、無党派層が動かないほうがいい。そう考えれば、これも忖度(そんたく)というやつなのかも。

 なにしろ、政権与党と仲良くしていたほうが金になる。

 10月1日から消費税が10%になった。その宣伝のための費用に74億円も使っているという。6月7日のテレ朝ニュースによると、

「宣伝のための費用はプレミアム商品券が14億円で、対象世帯かどうか確認を促すよう通知するテレビCMなどに加え、今月末に発表するゆるキャラの制作に充てたということです。(中略)さらに、ポイント還元には60億円余りを計上していて、合わせて74億円に上ります」

 だそうだ。

 金でマスコミを黙らせたのか。どうりでおかしいと思ったんだよ。ワイドショーなどで消費税増税について時間を割いて流す時、ポイント還元のことばっかやってて。

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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