「好きなの!人を殺すのが」
もう「好きなの!タピオカが」くらいのノリで、黒島ちゃんがこれまでの殺人について語り出すんだけど「もっともっとタピオカ飲みたい。私にタピオカください」にしか聞こえない。
考えてみれば、このドラマにはでっかいヒントがあったんだよ。企画・原案、秋元康。そりゃもう一番美味(おい)しい犯人役は元・乃木坂46「秋元の推しです」に決まってる。最初からタイトルを「あなたの茶番です」にしておいてくれ。
おまけに黒島ちゃんが殺人に目覚めた過去を全部知りたかったら、続きはネット動画サイトHuluで、だって。うん、知ってた。秋元さんがアコギなの、とっくに知ってた。
豪華出演陣をばんばんぶち込み、どんどん殺すからスケジュールはOK。イケメン俳優に「気持ちいいセックスしよ」とか言わせて、ネットニュースに取り上げてもらい、風呂敷広げるだけ広げて、伏線放置でやり逃げ最終回。
高視聴率のおかげで、この手法あと2回くらいは使われそう。ほんと許せるのは、袴田吉彦本人役を演じた袴田吉彦だけよ。
※週刊朝日 2019年9月27日号