「なつは、なんだかんだといろいろうまくいっているんです。初恋のようなにおいも少しはありましたが、それは進展することもなかった。なつがアニメの世界に進むよう導いてくれたのも天陽くんでした。今回のヒロインでは味わえない不幸や不運、挫折だとかを引き受けてくれた。そういう意味で天使のような存在ですよね」
亡くなる前夜、徹夜で馬の絵を描き上げた天陽。最後は、自分のジャガイモ畑に足を運び、かぶっていた麦わら帽子を宙に投げ、倒れ込むという、少し幻想的な映像だった。吉田さんは言う。
「ファンタジーでしたねぇ(笑)。顔が美しくて薄幸、薄命が似合う吉沢亮に、現場も何かを課したくなったのかもしれませんね。多くの人の印象に残るシーンになったでしょうし、実際に『天陽くんロス』が起こったわけですから、成功ですよね」
ドラマも残り3週。
「生き別れの妹のことや、大草原で生きる少女を描く作品の制作など、まだまだ盛り上がる要素はたくさんあります」(田幸さん)
ずっとロスってる場合では、ない?(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2019年9月20日号