フィンウェル研究所代表の野尻哲史さんが、「定年後の生活」について綴る「夫婦95歳までのお金との向き合い方」。今回は「金融リテラシーについて」。
【金融詐欺被害にあったことがあると回答した人の比率はこちら】
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前回に続いて金融リテラシーについて話を進めてみます。リテラシーが「識字能力」といったような意味ですので、金融リテラシーとは、金融知識というより、もっと生活に直結する「金融行動に対する理解力」のようなものです。
さて、読者のみなさんは、金融リテラシーが同年代の人に比べて高いと思いますか? 同年代の水準がわからないと思われるかもしれませんが、自身の金融リテラシーの自己評価だと思っていただければ、それで結構です。同年代と比べて高いか、低いか、どちらでしょう?
ところで前回の本稿で金融リテラシー・クイズをやっていただいたと思いますが、何点でしたか。同クイズは「金融広報中央委員会」が、2万5千人を対象にした金融リテラシー調査のなかで行っているもので、より簡便に測ることができるように開発されたものです。
年代別にその点数の平均値を計算した結果は、18~29歳で40.8点、30代で48.0点、40代で51.1点、50代で55.2点、60代で59.3点、70代で59.8点でした。みなさんの点数は、どれくらいでしたか?
金融リテラシーの自己評価と点数は整合的でしたか? 金融リテラシーの自己評価が高くて、クイズの点数も自分の年代の平均より高かった方は整合的です。自己評価が低くて、点数の低い人も同じく整合的といえます。逆に自己評価が高くて点数が低い人は「自信過剰な人」、自己評価が低くて点数が高かった人は「過小評価な人」と呼んでいいでしょう。
フィデリティ退職・投資教育研究所のアンケート調査「高齢者の金融リテラシー」(2019年2月)をもとにしたコラム「自信過剰は金融詐欺の被害にあいやすい」(19年5月23日)では、4つのセグメントに分けて金融詐欺被害の発生率をまとめています。