同アンケートでは、65~79歳の1万1960人の回答者から、金融詐欺被害にあったことがあるかどうかを聞いており、全体の4.6%が「金融詐欺被害にあった」と回答しています。

 被害にあったと回答した人をセグメントごとにまとめたわけですが、金融被害の発生率は金融リテラシーの水準にはそれほど影響を受けていませんでした。

 金融リテラシー・クイズの点数が平均以上のグループ6997人のなかでの金融詐欺被害の発生率は4.5%、平均未満のグループ4963人のなかでは4.7%でした。しかし、これを金融リテラシーの自己評価と組み合わせた4つのセグメントでみると、被害率が6.7%と相対的に高かったのが、自己評価が高く、しかし点数の低い「自信過剰な人」だったのです。逆に自己評価が低く点数の低い人は被害発生率が3.7%と最も低くなっていました。

 ちなみに、約1万2千人の回答者のうち13.7%がこうした「自信過剰な人」でした。高齢者の7人に1人は自信過剰な人といえるわけです。人は加齢に伴って金融リテラシーが低下する面もあります。自信だけが高止まりしていないか、時々自身の金融リテラシーを振り返って考えてみるのも大切なのかもしれません。

週刊朝日  2019年9月6日号

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