それにさ、日本ペンクラブの3日の声明文によると、「行政の要人によるこうした発言は政治的圧力そのものであり、憲法21条2項が禁じている『検閲』にもつながるものであることは言うまでもない」のだそうだ。

 憲法違反の疑いもあるんだよ! 憲法も守らない、話し合いを良しとしない、そんな人らがこの国では政治家ってどうよ? 「暴力団」みたいだよ。

 開幕からの2日間で抗議の電話とメールは計約1400件。脅迫の中には、「ガソリン携行缶を持って美術館に行く」とのファクスもあったそう。

 うわ~、悪質。これは35人もの痛ましい犠牲者を出した『京アニ』の放火殺人事件を意識しての脅しだよ。

 歴史がテーマになると、「議論すら許さない」という声や行為が必ず出てくる。最近、そういう人たちが増えてはいないか? いったいこの国の国民は、どうなってしまっているんだろうと思う時がある。

週刊朝日  2019年8月30日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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