報道陣からは、「なぜ辞めないのか。社長でなければできないことがあるのか」との突っ込みもあった。
岡本社長は回答に窮したあげく、「後でみんなに聞いときます」と“ボケ”ともとれる発言でかわした。
岡本社長の責任を巡っては、極楽とんぼ・加藤浩次が22日午前の日本テレビ系の情報番組「スッキリ」で、「経営側が変わらないとだめ。この状況が変わらないなら僕は退社します」と述べるなど退陣を迫っていた。
岡本社長はこの発言について、「加藤くんとはこれからミーティングする」としたが、所属芸人からも岡本社長の続投には反発が出そうだ。
田村は7月20日の会見で、吉本興業とテレビ局の関係について不信感を抱いたと、次のように話していた。
「僕がすごく不審に思ったのが、『在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主やから大丈夫やからと』言われました。何が大丈夫なのかわからないけれども、僕たちの言うことが、本当の気持ちが伝わるかどうか。ネット(での生中継)を止めようとしたという風に感じてしまいました」
これについては吉本興業の担当者はこのように反論。
「会見を生中継をしたいという田村への要望を受けて、それならテレビ局が株主だから大丈夫だ、という意味だった」
田村の誤解だったと言いたいようだが、会社側の説明にはどうも言い逃れのような感じも受けた。
吉本興業としては今回の会見で信頼回復をしたかったようだが、会社側の理解しにくい説明もあって、どうにも「スッキリ」しない。ファンや芸人らに疑念をかえって抱かせる可能性もある。
実際、「トレンディエンジェル」の斉藤司がテレビ番組で「なんでこんなに回りくどいことを言って」と発言するなど、反応が出ている。
異例の長時間のトップの釈明会見だったが、このままでは信頼回復はかえって遠のきそうだ。
(本誌・多田敏男、太田サトル)
※週刊朝日オンライン限定記事