※写真はイメージです (c)朝日新聞社
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親から子どもへのアプローチ 8つのステップ (週刊朝日2019年7月26日号より)
親から子どもへのアプローチ 8つのステップ (週刊朝日2019年7月26日号より)

 親にとってはいつまで経っても子どもは子ども。そんな意識のせいか、大人になるにつれ、互いにずれが生じるのが親子という特殊な関係。しかし、互いに歩み寄ることで解決することも。

【親から子どもへのアプローチ 8つのステップはこちら】

 親が70~80代ならば、子どもは30~50代。まずは、よくある悩みの事例と専門家のアドバイスを詳しくみていこう。

お金】子どもにいつまでも無心される。内心、快く思っていない

「もう600万円ほど私の老後資金から息子の借金を清算しています。一番大きいのは、5年前の100万円。FXで穴をあけたと泣きつかれました」

 関東地方に住む主婦サチコさん(仮名、70歳)は、同居している独身の会社員の次男(35)の借金癖が悩みの種だ。

「働いているので一応月に2万円を家に入れてくれますが、光熱費と食費でそんなのは吹っ飛んでしまう。でも息子に嫌われたくないから、強く言えないんです。早く結婚してくれればいいんですが……」

 しかしお金の問題は、結婚すれば解決するとも限らない。サチコさんの長男(40)は結婚して、子どもが2人いて、都内に住んでいる。長男は長男で、次男と母親の関係性をしっかり観察しており、「俺のことも助けてよ」とサチコさんに懇願。サチコさんはマンションの頭金として300万円を出し、孫の学費や習い事も援助している。

 いわゆる教育ママだったサチコさん。2人の息子は中学受験をさせて、有名大学に入学させた。

「10代は大学に入れるのに苦労して、20代は就活でやきもきさせられて、30代は結婚でハラハラして、今はお金でドキドキさせられている」

 おどけた口調とは裏腹に、サチコさんの目は笑っていなかった。

 現金だけでなく、現物支給をアテにする。そんなかたちの子どもの「無心」も最近、多い。

 都内に住むユキさん(仮名、70歳)は、月に5万~10万円くらい専業主婦の次女(40)から小遣いをねだられる上、月1万円分ほどの米を通販サイトから次女の家に送っている。

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