冠婚葬祭でしか顔を合わせない妻の親戚よりも、自分の血族に自宅を引き継いでもらいたい。そう考える人は多いだろう。親から受け継いだ家ならなおさらだ。

「こうしたケースにはこれまで、遺言書や家族信託を使って対応していました。しかし、結果的に遺言の書き直しや信託契約が骨抜きにされるなど、夫の死後、妻によって自宅が売却されてしまうこともあり得たのです」

 と言うのは法律事務所アルシエンの弁護士、武内優宏さん。武内さんは、配偶者居住権が効果的な自宅相続の“親族対策”になり得るという。

「自宅に配偶者居住権を設定し、所有権は夫の血族が相続すれば、妻が存命中は妻が暮らし、妻が亡くなった後はそのまま夫の血族が引き継ぐことができます」

 ただし、配偶者居住権は売買できないため、妻が老人ホームに入居するなどして自宅に住めなくなった場合の対策が必要になる。

「所有権を得る夫の血族から妻に対して自宅を出る時点の残存価値分を支払ってもらうなど、何らかの資金手当てが可能な条件付きの相続をしておきましょう」

週刊朝日  2019年7月26日号より抜粋

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