窃盗や覚醒剤取締法違反などの罪で実刑が確定し、刑務所に収容される直前、神奈川県で逃亡した小林誠容疑者(43)の行方がわからない状況が続いている。
19日午後1時半ころ、小林容疑者の身柄を収容するため、横浜地検の職員らが同県愛川町にある小林容疑者の自宅に訪れたところ、刃物を振り回して、車に乗って逃走。
同日夜、コンビニエンスストアに立ち寄った小林容疑者の写真などを横浜地検、神奈川県警が公開し、行方を追っているが、発生から4日経った今も行方はつかめていない。
小林容疑者が刃物を持って逃走してから4時間後に公開捜査に踏み切ったことに対しても、批判が大きくなっている。
「先週、大阪で警官を襲ってけん銃を強奪した飯森裕次郎容疑者の場合は、犯人であるか、ハッキリしない段階で、大阪府警はすぐに写真を公開。それが犯人検挙へつながった。だが、今回は公表が遅いし、検察庁と神奈川県警との連携もイマイチで、捜査が後手にまわっている。来週にはG20首脳会議が大阪で開催されるのに、大丈夫かと不安視する声があがっている」(警察庁幹部)
小林容疑者は、当初は自分で運転して車で逃走していた。だが、その後、知人に連絡を取って、車での送迎を頼んでいたことがわかった。
小林容疑者の知人はこう話す。
「彼は昔からヤンキーというのか、地元の暴れん坊でした。普段はごく普通、いいヤツなんですよ。けど、スイッチが入ると何をやらかすか、わからない。高校時代だったかな。警察に追いかけられて、逃げ切れないと思ったのか、急にパトカーに突進してフロントガラスをぶち破ろうとして捕まったこともあった。無茶苦茶するんですよ。今回も彼はヤクザの絡んだ窃盗団に入っており、その事件絡みで実刑判決が確定した。つい1か月くらい前に、最後の飲み会だと誘われて、行くと『もうすぐ刑務所だ。しっかりお勤めする』と覚悟を決めていたようでした。それなのに警官に刃物を振り回したというのは、ブチ切れたのでしょう」