シンガーソングライターでラッパーのKREVAが6月19日にリリースするベストアルバムのタイトルがユニーク。『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』だ。
【『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』のジャケット写真はこちら】
「ソロになって15年になり、その間の成長を聴いていただきたいと思って、タイトルにしました。“全曲バンドで録り直し”もありのまま、わかりやすくするためにつけました」
バンドは、いつもライヴで一緒に演奏しているメンバー。
「久保田利伸さんのバンドで知り合ったメンバーとさかいゆう経由で知り合ったメンバーです。ブラックミュージックの影響を受けているメンバーが多い、自然とバンドもソウルフルな演奏になりました。オリジナルとアレンジががらりと変わったのは『KILA KILA ~2019 Ver.~』です。東日本大震災の後に歌詞を書いた曲で、もともとはとても前向きな、皆を鼓舞するようなサウンドです。でも、今回はメロウな導入部になっています。一方“成長”という意味で、聴いていただきたいのは『音色~2019 Ver.~』です」
「音色」は、KREVAがヒップホップグループ、KICK THE CAN CREWを経てソロ活動をスタートさせたメジャーデビューシングル。
「KICK THE CAN CREWでは、いつもメンバー3人で競い合うように言葉を生み出していて、それがプラスの効果を生んでもいました。でも、もっと素直に自分の思いを歌ってみたいとも感じていたんです。それで、1人でスタジオに入ってレコーディングしたのが『音色』でした。歌詞を書いたときはまだソロ活動をイメージしていなかったと思います」
そういう経緯で生まれた曲だからこそ、レコーディングでは「たくさんの人に届けたい!」という思いが強かった。
「あれから15年、僕は自分のすべてのソロライヴでこの曲を歌っていると思います。その過程で歌い方が徐々に歌詞に寄り添うようになってきました」
KICK THE CAN CREW時代の打ち込み中心ではなく、バンドでライヴをやるようになったことも、KREVAのヴォーカルを変えた。
「バンドは生ものなので、毎日微妙に演奏が違います。メンバーそれぞれの楽器のチューニングも違います。そのなかで歌っていくことで、僕のヴォーカルも幅広くなっていくんですよ」
久保田利伸に褒められたこともKREVAのモチベーションを上げた。
「KREVA、お前、歌上手くなったな、と言っていただいて。なにしろ久保田さんですから、僕の自信になりました」