<議員各位 東京2020大会のチケット販売に係るご連絡>
こう題された文書が東京オリンピック・パラリンピック大会推進議員連盟の幹事長で元五輪相の遠藤利明衆院議員から全国会議員に発せられた。
この議連は2013年に与野党関係なく、超党派で発足し、会長には麻生太郎
財務相が就任した。筆者が入手した全国会議員に送られた文書にはこう記されている。
<衆・参の両議長に対し、森喜朗会長からチケットについてご相談したところ、両院からは多くの国民の皆さんがチケットがとれない中で、国会議員だけの特別の配慮をいただくことについては辞退申し上げる旨のご回答があった>
そして一般販売のチケット購入の案内が記されていた。
例外的に衆参両院の正副議長、各政党の代表者1人のみ特別枠を設定するという。なぜ、こんな文書が出されたのか?議連メンバーになっている国会議員はこう語る。
「最初120人くらいでスタートした議連だが、今はかなり増えている」
その理由は東京オリンピック・パラリンピックのチケット問題だという。
「議連に入った国会議員は特別枠で優先的に買えるとか、特別枠の枚数が
増えるのでないかという話が流れていた。支援者から『オリンピックのチケット、なんとならないか』と頼まれている議員もたくさんいるからね。実際、かなり多くの国会議員が『特別枠がないのか』と事務局に問い合わせている。日程とチケット枚数を書いた紙を渡して『特別枠でまわしてくれ』としつこく依頼した議員もいたと聞いています。あまりに圧力が強く、要望するチケット枚数も多かったので、こういう文書が回されたそうです」(前出の国会議員)
議連の役員にもなっている国会議員もこう証言する。
「特別枠で買えないかと事務局に聞いたよ。なんせ、地元の支援者から何十枚もほしいと頼まれているからね。『先生は議連の役員だから何枚でも入るでしょう』とか言われますよ。同僚議員の一人は『枚数もたいしたことないのになぜ、国会議員の特別枠が認められないのか』と怒っていたよ。その議員は100枚以上も頼まれていたそうだ。『特別枠がないなら、無理だ。どう断るかな』と困っていた」