勝利会見した松井(左)、吉村「大阪維新の会」両候補(撮影・今西憲之)
勝利会見した松井(左)、吉村「大阪維新の会」両候補(撮影・今西憲之)
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 統一地方選の前半戦「大阪春の陣」は安倍政権にとって波乱の幕開けとなった。

 投開票が7日夜、行われ、最大の注目だった大阪府知事選、大阪市長選のクロス選挙は、どちらも大阪維新の会が自民党の推す候補に圧勝した。

 午後8時、大阪維新の会の選挙事務所はテレビで、大阪市長候補の松井一郎氏と大阪知事候補の吉村洋文氏に「当確」のアナウンスが流れると、大きな歓声に包まれた。

 勝利会見をした松井、吉村両候補は「府民の皆様に感謝。大阪の成長に取り組み、よくなったと感じてもらった結果だと思う」「都構想はいろんな意見がある。反対派の意見も聞き、丁寧に謙虚に進めていきたい」などと語った。

 大阪維新の会の一丁目一番地である大阪都構想の住民投票を再度、実施して「大阪都」を目指す方針だという。

 維新の圧勝となり、注目されるのは、後半戦となる21日投開票の衆院補欠選挙だ。沖縄3区と大阪12区で実施される。

 自民党幹部は落胆しながらこう語った。

「いや、まさか大阪維新の会がここまで強いとはね…」

 沖縄3区で自民党は元沖縄担当相の島尻安伊子(あいこ)氏、野党はフリージャーナリストの屋良朝博氏を擁立。辺野古基地埋め立て問題などもあり、自民党は苦境に立たされている。

「もう勝負は決したようなもの。とても勝ち目はない」

 沖縄の自民党の地方議員は、すでに“白旗”を上げているという。

 自民党としては、残る大阪12区を死守することが至上命題となる。

 自民党の北川知克前衆院議員の急逝で補欠選挙となり、北川氏の甥、北川晋平氏を自民党候補に立てた。

 一方、日本維新の会は、前回の衆院選で北川氏に善戦した藤田文武氏が出馬。そこへ現職の衆院議員で共産党の宮本岳志衆院議員が無所属で名乗りをあげ、元総務相の樽床伸二氏も出馬を表明している。

 自民党本部に衝撃が走ったのは、大阪12区の世論調査の速報が届いた先週末のこと。

北川晋平  30.3

藤田文武  29.8

樽床伸二  22.0

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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