河村名古屋市長 (c)朝日新聞社
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【問題のセクハラ暴言音声データはこちら】
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 本誌が報じた名古屋市議会議員運営委員会が行った昨年の行政視察の場で勃発した暴行、セクハラ、パワハラ問題を受け、名古屋市の河村たかし市長(70・減税日本代表)は18日、定例の記者会見でこう怒りをぶちまけた。

【音声データ入手】「チューしろよ」音声はこちら

「政治を36年間やっとりますが、生でこんな話を聞いたのははじめて」
「職員に馬鹿野郎とは、なんだ。職員に適正な業務をしてもらうため、守らないかん」
「市議たちの暴行、暴言、セクハラ、酒が入っているという言い訳は通じない」

「録音には脅迫、脅しのような言葉もある。名古屋市の予算は2兆8千億円です。それをこんな市議会が審議し、執行していいのか」

 河村市長はトラブルが持ち上がった昨年11月に行われた行政視察で同市議らの間で勃発したトラブルが録音された音声データを市民が判断する材料になればと公表した。

 しかし、公表された録音データは、藤田和秀・自民党市議(55)と減税日本ナゴヤの田山宏之市議(60)の間で勃発したトラブルの際のやり取りがほとんどだった。

実は録音データには自民党市議のセクハラ発言も録音されていた。

「セクハラについてはちょっと言いにくい。ただハッキリとセクハラとわかる内容。びっくりした」と河村市長は述べるにとどめた。

録音データには明確に自民党の複数の市議が女性のB市議に「俺とチューしよう」 「俺とキスしよう」と詰め寄っていた。

 B市議は「ないから。ないから」と困惑の声をあげている。減税の田山市議が「セクハラだ」と止めに入ったが、自民党の市議は「俺とキスしろ」「自由恋愛、自由恋愛だろう。自由恋愛だろう」

と言い放っているのだ。B市議の所属する政党幹部はこう話す。

「これは完全にセクハラですよ。いやセクハラでは済まされない。自民党の圧力に屈してはいけない」

 本誌がB市議に取材を申し込んだところ、「意見交換会は懇親会のような感じでしたので…」と言葉少なに語るのみだった。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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