ストーリーやキャラクター設定を全部任せてもらえるなら、ということで企画の途中から参加しました。宇宙船「ヤマト」のデザインはもちろん、ほとんどが僕のアイデアです。
宇宙の色を表すには、どの塗料のどの色がいいかも指定しました。古代進のススムは弟の名前だし、寡黙な沖田艦長のキャラクターはオヤジそのものです。そうそう、森雪という名前は、「男おいどん」のときに「彼のインキンタムシが治りました」という手紙をくれた女性読者の名前の一部を使わせてもらいました。
まさに寝食を忘れて没頭しました。監督までやらせてもらって、たいへんだったけど楽しかったですね。西崎さんとはその後ちょっとゴタゴタがありましたが、今はスッキリ解決しているし、何よりアニメの世界に入るきっかけを作ってくれて、本当に感謝しています。
――今や松本の作品は、世界中で愛されている。
あれもやりたい、これも描きたいと、どんどん欲が出てきます。作品で読者や観客を元気にして、それぞれの志を手助けするのが、天から与えられた自分の使命だと思っています。
やりたいことを全部やるにはあと何十年もかかるから、そう簡単にくたばるわけにはいきません。
(聞き手/石原壮一郎)
※週刊朝日 2019年3月22日号