![渡辺 謙(わたなべ けん)/1959年、新潟県生まれ。87年、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」主演。89年、急性骨髄性白血病に倒れ、撮影中だった主演映画「天と地と」を降板。2003年の映画「ラスト サムライ」でハリウッドデビュー、アカデミー賞助演男優賞にノミネート。15年、ミュージカル「王様と私」でブロードウェーデビュー、トニー賞ミュージカル部門主演男優賞にノミネート。ミュージカル「王様と私」は7月11日(木)~8月4日(日)、東急シアターオーブ(東京・渋谷)で上演予定 [撮影/馬場道浩、ヘア&メイク/筒井智美(PSYCHE)、スタイリング/馬場順子、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力=BRUNELLO CUCINELLI、Cartier]](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/b/b/816mw/img_bb1fa0e33225c9ccbc6d2e4b0b1e78c0107365.jpg)
![週刊朝日3月15日号の表紙を飾った渡辺謙さん</p>
<p>[撮影/馬場道浩、ヘア&メイク/筒井智美(PSYCHE)、スタイリング/馬場順子、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力=BRUNELLO CUCINELLI、Cartier]](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/725mw/img_8ad3cc1831c7e6f839f2a990d1668a32139635.jpg)
[撮影/馬場道浩、ヘア&メイク/筒井智美(PSYCHE)、スタイリング/馬場順子、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力=BRUNELLO CUCINELLI、Cartier]
2015年、米演劇界で最も栄誉のあるトニー賞で4部門を受賞したミュージカル「王様と私」が、この夏、日本で上演される。初演当時、渡辺謙さんは55歳でミュージカル初挑戦、しかも全編英語。なぜ、踏み出せたのか。
「大切なのは、これまでやってきたことをどこまでちゃんとできるか。もちろん表現方法の違いや、言葉の問題もある。でもそれは、ギアを変えるということではなく、ちょっとしたアクセルワークやブレーキを調整するようなもの。とくに今は、できるだけ自分が心地よくいられる環境を作り、どこに行ってもそこで最大限のパフォーマンスができるようにすることに、注力しています」
一方で、時代の変化や気分は、ビビッドに感じ取る。
「舞台は今のお客さんに見せるものですから。ラーメンと同じで、季節や環境に合わせて、ちょっとずつでも味を変えていかないとおいしいものはできない。実際に台詞や演出を変えるということではなく、世の中の気分を背中で受け止めることが大事だと思います」
自分を規定したくないから、ここ10年くらいは、あえて目標を作らない。
「楽しいことはいっぱいありますが、一番アドレナリンが出るのは仕事」
そう語る渡辺謙の挑戦は、おそらくまだまだ終わらない。(本誌・野村美絵)
※週刊朝日 2019年3月15日号
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