*この「ギャンブル依存症チェック」は、ギャンブル依存症の診断基準やスクリーニングテストを参考にして、依存症の特徴をまとめたものです。依存症の可能性を考えるための目安として使用してください。出典・『ギャンブル依存症から抜け出す本』(監修・樋口 進/講談社)

 はじめはワクワク感からギャンブルを始める。しかしそのうち借金ができると、ギャンブルで負けた金をギャンブルで取り戻そうとして深みにはまる。

 25年以上、依存症患者の治療に携わってきた横浜・大石クリニック院長の大石雅之医師は言う。

「負けても、少し取り戻せるときがある。たとえば10万円負けてもそのあと5万円取り戻せたり。そうすると負けている状態を“いまは相手に貸しているだけ”と思うようになり、新たにお金をつぎ込めば全額回収できると思い込んでしまう場合が多いのです」

 そして賭けるお金が大きくなり。賭けるお金が大きくなれば、負けるお金も大きくなり。借金があっという間に普通の稼ぎでは返せない金額になってしまうと、「ますます次の一発に賭けるしか、手立てがないように思い込むのです」(大石医師)。

 原宿カウンセリングセンターの所長で臨床心理士の信田さよ子さんは言う。

「ギャンブルの場合、定年退職後に急にはまる方もいます。パチンコをやってみたら“うまいこと儲かってしまった”、退職金で海外のカジノに行ってみたら、ビギナーズラックで大儲けしてしまった。そんな強烈な体験も、依存症への引き金の一つと言えるでしょう」

 現在エビデンス(科学的根拠)が明確で、医学的に「依存」の枠組みに入っているのは、アルコール、薬物、たばこ、ギャンブル、ゲームだと前出の樋口医師は語る。ギャンブル依存症の場合、男女比は男性が9割以上と圧倒的に多い。そして過去のさまざまな研究から“なりやすい人の傾向”もわかっている。

「発症のリスクを高める要因はいろいろあります。もともとADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)が存在している場合も危険ですが、『負けず嫌い』『新しいものが好き』『絶えず刺激を求める』といった性格の人も危険です。こういった性格の方は、仕事はできるタイプであったりもするのですが」(樋口医師)

 またギャンブル以外の依存症、たとえばアルコール依存症やたばこへの依存がある人も、ギャンブル依存症を発症しやすいと考えられている。普段からお酒やたばこが好き。そして趣味はギャンブルという人の場合、依存症のリスクが高く、注意が必要だ。

週刊朝日  2019年3月8日号より抜粋

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