※写真はイメージです (Getty Images)
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ギャンブル依存症チェックの判定 (週刊朝日 2019年3月8日号より)
ギャンブル依存症チェックの判定 (週刊朝日 2019年3月8日号より)

 自身が気付かないうちになってしまうギャンブル依存症。国もその対策を進めるなど、近年注目されている。ライフジャーナリストの赤根千鶴子氏がその実態を調べた。

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 昨年「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立して以来、ギャンブル依存症問題に、より社会の関心が集まっている。そもそも依存の対象となる“ギャンブル等”とは何を示すのか?

競馬、競艇、競輪、オートレースといった公営競技、麻雀やパチンコ、スロット、テレビゲームなどの遊技、宝くじやロトなどの『くじ』や試合の勝敗で当選が決まる『スポーツ振興くじ』、そしてオンラインギャンブル。また株式取引やFXなども含まれます」と教えてくれたのは国立病院機構久里浜医療センター院長で依存症対策全国センター長の樋口進医師だ。

 実は2017年度にギャンブル依存症の実態を調べるため、大規模な全国調査が行われている(*日本全国300地点で4685人から回答を取得)。それによると日本のギャンブル依存症が疑われる人の生涯有病率は推計3.6%。この数値は過去に一回でもギャンブル依存症が疑われる状態にあったと考えられる人の割合を示したものだ。これは人口に換算すると、なんと320万人にものぼる。

 だがこの中には、もうすでに回復した人も含まれている可能性がある。

「そこで過去1年以内の生活からギャンブル依存症が疑われる人の割合も算出すると推計で0.8%と出ました。人口に換算するなら約70万人が『過去1年以内に依存症の状態に苦しんでいる』と考えられる結果が出たのです」(樋口医師)

 そしてその人たちが過去1年間に使った賭け金は、平均すると1カ月あたり約5万8千円(*数値は「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査(全国調査結果の中間とりまとめ)」<久里浜医療センター>による)。樋口医師によると「ギャンブル依存症で治療を受けに来る患者さんの生涯の借金が500万~600万円なのはザラ」というから、なおのこと恐ろしい。

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