公正証書遺言のイメージ (※写真はイメージ) (c)朝日新聞社
公正証書遺言のイメージ (※写真はイメージ) (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
相続に関する民法改正の主なポイント (週刊朝日 2019年3月1日号より)
相続に関する民法改正の主なポイント (週刊朝日 2019年3月1日号より)
遺言の種類と違い(上)/法定相続分と遺留分の主な割合 (週刊朝日 2019年3月1日号より)
遺言の種類と違い(上)/法定相続分と遺留分の主な割合 (週刊朝日 2019年3月1日号より)

 身近な人の死後には、多くの手続きが待ち受けている。そこで中でも、不安を抱きやすい故人の銀行口座の現金引き出し、遺言による相続などを中心に疑問をまとめた。Q&A形式で解説していく。

【相続に関する民法改正の主なポイントはこちら】

*  *  *

Q1:ネット銀行に口座がある場合は?

A:高齢者でもネット銀行に口座を持つ人が増えている。預金通帳がないため、家族でも口座があることがわかりにくい。

 ネット証券や外国為替証拠金取引(FX)の口座があることも考えられる。

 ネット上の口座に多額の資金が残っていることが後から判明すると、遺産分割や相続税の納税をやり直さないといけない。

 ネット上の口座を確認するには、IDやパスワードが必要になる。いざという時に家族がわかるように、口座の種類やID、パスワードを保管しておこう。

Q2:故人のSNSやブログはどうする?

A:LINEやフェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、亡くなったことを公表した上で、できるだけ閉じる。

 亡くなったことを知らない友人らが、SNSを通じてコメントなどを投稿し続けるためだ。SNSを通じてゲームや動画サービスなどの利用料が引き落とされている可能性もある。

 追悼のメッセージを書き込んでもらうため、一定期間残すこともあり得る。

 SNSに接続するにはIDやパスワードが必要になるので、ノートなどに整理しておく。

 知られたくないSNSデータがある場合は、元気なうちに自分で閉じる。指定日に自動的にファイルを削除してくれるソフトもある。

Q3:故人の銀行口座からお金を引き出していいの?

A:亡くなったことがわかると、金融機関は本人の口座を凍結し、引き出せなくなる。これまでは原則として相続人全員が同意しないと、凍結は解除できなかった。

 とはいえ、葬儀や遺品の整理などで出費はかさむ。民法が改正され、遺産分割協議前でも預貯金の一部を今年7月1日から引き出せるようになった。

次のページ