エミリー・ブラント(Emily Blunt)/1983年、イギリス・ロンドン生まれ。2003年に映画デビュー。「プラダを着た悪魔」(06年)でハリウッドに進出してブレーク。「ヴィクトリア女王 世紀の愛」(09年)、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(14年)、「イントゥ・ザ・ウッズ」(15年)、「ガール・オン・ザ・トレイン」(16年)など出演作多数。18年は夫ジョン・クラシンスキーの監督作「クワイエット・プレイス」で主演をつとめ、大ヒットを記録した。55年ぶりに製作された名作映画の続編「メリー・ポピンズ リターンズ」に主演、全国で公開中。
(撮影/馬場道浩 アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO)
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映画「メリー・ポピンズ リターンズ」(c)2019 Disney Enterprises Inc.All rights reserved.2月1日(金)全国ロードショー
映画「メリー・ポピンズ リターンズ」(c)2019 Disney Enterprises Inc.All rights reserved.2月1日(金)全国ロードショー

 ジュリー・アンドリュース主演の名作映画「メリー・ポピンズ」(1964年)が、55年の時を経てスクリーンに蘇った。公開中の「メリー・ポピンズ リターンズ」で、“すべてにおいてほぼ完璧”なナニー(ベビーシッター兼家庭教師)を演じたエミリー・ブラントに、その舞台裏を明かしてもらった。

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──まさに“すべてにおいてほぼ完璧”なメリー・ポピンズでした。どうやって役にアプローチを?

 メリー・ポピンズは非常に偶像的な存在。ジュリー・アンドリュースが演じたキャラクターに敬意を払う必要もあったし、自分なりの新しいメリー・ポピンズを演じる勇気を持つ必要もありました。でも原作を読んだら、オリジナルの映画とは違って、エキセントリックな変人で、空想的な人物ではあるけど、より厳格で堅実だった。原作を読むことで、彼女をどう演じるかについて、はっきりとしたイメージが持てました。

──これまでに原作を読んだことは?

 一度もなかったんです。このキャラクターに関して7冊も本が書かれていることすら知らなかった。読んでみたら、さらなる魔法と、さらなる冒険があって、子どものときオリジナルを見たのと同じくらい気に入ってしまって。だから、役づくりのためにオリジナルを見直すのはやめようって決めたんです。ジュリー・アンドリュースを演じるのではなく、彼女の演技に影響を受けるのでもなく、私自身のメリー・ポピンズを本能で演じようって。

──オリジナルを最初に見たのは?

 たぶん6、7歳のときね。

──では最後に見たのは?

 最後に見たのは、じつは撮影が終わった後なんです。大人になって初めて見たんだけど、あまりにもすばらしくて、自分で演じる前に見なくてよかったってホッとしたわ(笑)。一緒に見ていた上の娘も釘付けになっちゃって、結局、娘は2人ともオリジナルも私のバージョンも両方見たんです。

──娘さんたちはなんと?

 娘たちは変な感じがしたみたい。ママがメリー・ポピンズだなんて(笑)。上の娘には、ママは空が飛べるの? って聞かれたわ。もちろん飛べないんだけど(笑)。自分の子どもたちが、私が仕事として何をしているのか、キャラクターを演じていること、映画をつくろうとしていることを理解しようとしてくれたのは、不思議な感じでした。


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