招致を目指す立候補都市が直接、投票権を持つIOC委員に直接、アプローチすることが原則、禁じられるようになった。なかでも、アフリカは「大票田」だとして、3都市が集票活動を展開していた。アフリカに大きな影響力があるとされたのが、有力五輪競技、陸上界のトップ、ラミン・ディアク氏であった。

「過去の五輪の招致活動で不正があるたびに、賄賂の授受が噂になった。そこでわかってきたのは、1票の相場です。だいたいが、1票10万ドル(約1100万円)。実際、ある国のIOC委員は『10万ドルで投票してほしいと立候補都市から持ち掛けられた』と証言している。また、五輪招致のコンサルタントをしている人物も『1票10万ドルで、票を集めたことがある』と話している。東京がコンサルタント会社に2回に渡って送金した総額は、2億3千万円でしょう。1票10万ドルとして、20票集めれば、ちょうどこの金額くらいになる。ラミン・ディアク氏の力ならアフリカ以外からも集票できるので、20票は現実的な数字。金額から、まさに集票の報酬、賄賂じゃないか、先々で問題になると多くの関係者は思っていた」

 昨年、韓国で開催された平昌五輪でも、韓国企業がディアク親子に集票を依頼したという疑惑が報じられた。リオデジャネイロ五輪の招致でも息子のパパマッサタ氏に“賄賂”を渡したとして、ブラジルのオリンピック委員会の会長が、2017年に逮捕された。

「フランスの司法当局は開始した(起訴するかどうかを決める)予審手続きでとても有名な裁判官をあてているので、日本を本気で立件するんじゃないかとIOCの中でみている人は多くいる」(IOC関係者)

 そんな中、IOCでは、このままで本当に東京五輪が開催できるのかとの声もある。

「フランスの司法当局が、竹田会長、東京五輪の招致委員会が送ったカネが賄賂と認定した場合、不正な方法で開催権を得たこととなる。そのまま、五輪を開催させていいのかという意見が招致に負けたヨーロッパの国から出ている」

※週刊朝日オンライン限定記事

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