ジャーナリストたちはこの要求を「政府による報道の弾圧」だと強く反発した。ジャーナリスト団体の「組織犯罪と汚職報道プロジェクト(OCCRP)」は、「政治家が自己保身のためにGDPRを悪用し、メディアを黙らせようとしている」との声明を発表。RISEプロジェクトも、「たとえ罰金を科されようと情報源を開示しない」と要求を拒否する姿勢を明らかにした。
ルーマニア選出のモニカ・マコヴェイ欧州議会議員も本会議でこの件を取り上げ、「ルーマニアは報道を殺すことで民主主義を殺そうとしている」と注意を払うよう呼びかけた。
欧州委員会もこの件について、ルーマニア政府によるGDPRの乱用だと指摘。今後の展開次第では、ルーマニア政府とEUが対立する可能性も出てきた。強力にネットを規制すると、その分表現の自由が侵食される。欧州がどのような判断を行うのか、注目したい。
※週刊朝日 2018年11月30日号