共和党が大敗すると、米国株は調整局面に入る恐れがある。松井証券の窪田氏は、そうなれば日本株にも影響が及ぶと説明する。

 米経済の過熱を抑えようと、連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを進めてきた。一方で、トランプ大統領はFRBの利上げをけん制。金融市場は、長期金利の行方に神経をとがらせる。

 大和証券の壁谷氏は「景気拡大が過去2番目に長く、終盤戦を意識せざるを得ない状況。最後は利上げとの戦い」とみる。長期金利が今の水準ならば影響は限定的で、足もとの株安も一時的な調整とみる。

 楽天証券の香川氏も、景況感は日米ともに良く企業業績は増益基調と指摘。「株式市場は、まだ弱気になる状況でない」と話す。

 ニッセイアセットの松波氏は、日本株は割安圏に入っており、政府の補正予算待ちの状況との見方だ。災害復興、消費増税の影響緩和策、参院選対策と「三つ重なるのは初めて。補正予算は巨額になる」と株高に期待する。

 カブドットコムの河合氏は足もとの株価急落前の10月初旬、季節性(アノマリー)から10月半ばの下落を予想し、年末高に向けた買い場になるとみていた。

 一方で、弱気な見方も。みずほ証券の菊地正俊チーフストラテジストは「米景気はピーク」と指摘。来年は世界的に景気減速し、企業業績も横ばいとみる。フィスコ情報配信部の株式アナリスト、小林大純氏も「米国経済は強いが、来年の減速は否めない」と話す。

 日経平均株価の予想は、構成銘柄の1株あたり予想利益(EPS)と、株価をEPSで割った株価収益率(PER)がカギを握る。日経平均の3万円到達も見込むマネックスの広木氏。企業業績は増額修正含みとみて、日経平均の予想EPSを市場見通しから2千円程度になると想定。PERは「歴史的に15倍くらい」と話し、3万円とはじく。今の市場の見方だと14倍で、その水準にとどまると2万8千円になるという。

 大和証券の壁谷氏は、米国発の貿易問題に要注意としながらも、来春2万7千円台があり得るとみる。3万円に届くには、明確な成長戦略による企業業績向上、賃上げが進むことによる内需喚起、一層の株主還元姿勢が必要と指摘する。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2018年11月2日号

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