マネックスの広木氏は、ビッグデータ解析分野の成長を見込むとともに、自動運転を支える電子部品関連にも注目。これらの分野に欠かせないセンサーや解析技術をもつ企業として、富士通、日立製作所、村田製作所、TDK、ソニー、オムロンをあげる。オムロンは体温計や血圧計のイメージもあるが、工場自動化の制御機器に強い。
業績回復中の業界も注目だ。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事、三菱商事の大手総合商社で、株価再評価があるとみる。最近の原油価格上昇などが追い風になってきた。
自動車関連は、トランプ米大統領による関税問題でさえない動きだった。この問題が解決に向かって「霧が晴れれば注目」というのは、大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストやニッセイアセットマネジメントの松波俊哉チーフ・ポートフォリオ・マネジャー。機械セクターは、貿易摩擦で中国需要が落ち込むとみられて売られており、戻りへの期待がある、と壁谷氏はみている。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、売り込まれていた金融セクターの大手銀行や生命保険、石油・資源関連で商社に注目。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、炭素繊維や自動車向け電装関連、外国人観光客需要で好調な陸運・ホテル・ドラッグストア・百貨店などの銘柄に関心を示す。
来年3月末に向け、日経平均はどこまで上がるか。
多くの専門家の景況感は一致しており、米経済が好調で、日本の企業業績も拡大中とみる。来年3月の日経平均は2万6千円前後との予想が多いが、3万円到達との見方もある。
目先の注目点は11月6日の米国中間選挙。下院の全435議席と上院100議席のうち35議席が改選される。明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフストラテジストは「景気がよいため共和党の勢力維持がメインシナリオ」とみる。
三井住友アセットの市川氏は、下院で民主党が勝ってねじれ議会になるかもしれないと指摘。その際、「株安も予想されるが、混乱は一時的」とみる。大統領を弾劾裁判にかけるには上院の承認も必要で、上院は共和党有利という。