成田空港到着後、全日本空輸の谷田邦彦機長(手前右)と記念撮影に納まる福地啓介君(全日本空輸提供)
成田空港到着後、全日本空輸の谷田邦彦機長(手前右)と記念撮影に納まる福地啓介君(全日本空輸提供)

 第42回世界オセロ選手権で、初出場の小学5年生福地啓介君が優勝し、世の中が沸いた。大人も参加する無差別部門で、歴代最年少記録を11歳128日で更新。6段から7段へと昇段した。

 決勝後のインタビューで、「うれしい」とあどけない表情を浮かべ、優勝の気持ちを「世界中の人に伝えたいです」とはにかむ笑顔は小学生そのもの。彗星(すいせい)のごとく登場した福地君だが、一体どんな子なのだろうか。全国大会を運営する日本オセロ連盟によると、福地君はニコニコした普通の小学生という印象だが、小学1年生のときからすでに頭角を現していたという。

「小学生グランプリに初出場してから2年連続で優勝し、ここ数年は大人と交ざっても常に全国大会で上位に食い込んでいました」(連盟関係者)

 世界大会に初出場し、優勝までしたのには連盟側も驚いたが、「まぐれではない」という。

 特筆すべきは驚異的な集中力だろう。10月9~12日の3日間の大会期間中は、予選13試合、準決勝3試合、決勝3試合と、計19もの試合をこなした(1試合1時間)。さらには慣れない海外での大会でありながら、並々ならぬ洞察力を保ち、鮮やかなまでに相手の石をひっくり返し、大逆転を演じる「必勝法」で難敵を下していった。

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