年齢とともにおっくうになる掃除や料理などの家事。体力の衰えや筋力の低下は、80歳を超えると日常生活にも影響を及ぼすケースが多くなるという。自分の力ですべてを解決する必要はない。代行サービスなどを上手に使って、毎日を充実させよう。
「息子からは『食欲が旺盛になって、元気が出てきたね』と言われます。確かに、自分でもよく食べるようになったなと思います。毎週火曜日の食事が楽しみ」
都内で一人暮らしをしているゆう子さん(仮名、78歳)は昨年から、家事代行業「CaSy」(東京都千代田区)の、週に1回食事を作ってもらうサービスを利用している。その日の食事だけでなく、1週間分のおかずの作り置きも頼んでいる。
以前は自分で作っていたが、1人分の食事で毎回おかずをあれこれ用意するのがおっくうになってきた。年とともに料理が簡素になり、しだいに食も細くなっていったという。そんな中、ゆう子さんは娘と息子から、家事代行サービスの利用を提案された。2人とも近くに住むが普段は仕事があるので、ゆう子さんの面倒はなかなかみられず、心配したようだった。
実際に利用してみると、スタッフはこまやかな気配りをしてくれて、時間や食材の無駄もなかった。毎週火曜日の朝8時ごろに女性スタッフが自宅に来て、体調や食べたい料理などゆう子さんの希望を聞きながら、メニューを相談する。それから近くのスーパーに行き、食材を購入して、自宅に戻って調理。冷蔵庫に残った野菜や肉も余さず活用する。片付けも含め、かかった時間は3時間ほどだ。
「このサービスを利用する一番の理由はなんといっても料理がおいしいこと。炊き込みご飯が大好きなので、毎回作ってもらいます。ナスやきのこなど旬のものを使ってもらえ、季節が感じられるのもいいですね」(ゆう子さん)
デザートのあんこの白玉団子も毎回用意。ギョーザやハンバーグ、野菜のポタージュスープなど7~10品ほど作り、冷蔵や冷凍で保存して1週間もつ量になっている。