「海外では、頸動脈が60%以上狭くなっていると、年間2%の割合で脳梗塞を発症するという報告もされています。もし、60歳で頸動脈狭窄症が生じていれば、80歳までに40%近くの割合で起きるのです」

 大場さんも脳梗塞の再発を防ぐため、水谷医師のもとで頸動脈狭窄症の治療の一つである「頸動脈内膜剥離術」を受けることとなった。全身麻酔下で頸部を切開し、頸動脈内部を詰まらせている血栓や脂質を直接取り除く手術だ。

 もう一つの治療である、血管の内側にステントと呼ばれる網目状の金属の筒を留置して血管を広げる「頸動脈ステント留置術」に比べ、からだに負担がかかるものの、根治性が高く、体内に異物を残す必要がない利点を持つ。治療後の経過も順調で、脳梗塞の再発もなく過ごしているという。(取材・文/鈴木健太)

■脳梗塞の3つの予兆
症状はすべて突然発症するのが脳梗塞の特徴
□片側手足の脱力(まひ)や感覚の異常 ※顔の片側のまひを伴うことも
□言語障害
□片目の見え方が一瞬暗くなる、見えなくなる

週刊朝日  2018年10月19日号

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