樋田淳也容疑者(30)が大阪府警富田林署から勾留中、逃走していた事件で府警は9月30日、山口県内で万引きで前日に逮捕された同容疑者を加重逃走容疑で再逮捕。大阪に今朝、身柄を移送された樋田容疑者は黙秘し、署名や押印も拒んでいるという。
樋田容疑者の姿をみると、府警の手配写真とは違い、丸坊主で真っ黒に日焼けしていた。青いジャンパー、スニーカーという恰好で所持金はわずか280円だった。
「8月12日に逃げた時、羽曳野市で盗んだスポーツタイプの白い自転車で西へ逃走。愛媛県からは、サイクリングで日本一周をしている男と知り合って行動をともにしていた。道の駅などで寝ていたそうだ。男は樋田容疑者とはまったく気づかなかったと話している。確かに手配写真とは似つかないので無理もない。それにしても自転車で愛媛県や山口県まで逃げていたとは……」
と府警捜査関係者も驚きを隠せない。
山口県警は30日、和歌山県内で自転車を乗り去ったという占有離脱物横領の疑いで、 樋田容疑者と同行していた男(44)も逮捕。2人が知り合った経緯を調べているという。
樋田容疑者は男とともに周南市内の道の駅に立ち寄った際、万引きして逮捕された。
菓子パン、餅、缶コーヒーなど5点、約1000円分をTシャツの腹の部分に隠し、店を出たところ、警備員に呼び止められた。
「財布を取りに行くだけや、何をするんや」などと暴れたため、110番通報され、午後6時半頃に、駆け付けた周南署の警官に身柄を確保された。
「道の駅の人も樋田容疑者だとは全く気づかなかった。ただ、警官を見ると大声をあげ、足で蹴ったりと暴れたそうです。『こら、なんで警察呼ぶんや』と大阪弁で怒鳴った。そこで身柄拘束し、調べようとしたら、手で左のふくらはぎ付近を押さえて離さない。不審に思った警官が手をよけさせ、確認すると左足に例のウサギの入れ墨があった。あれ、ひょっとしたらと大急ぎで府警の手配書を見たら、そっくりの図柄。さらに特徴として挙げられていた耳のピアスの痕も確認したら、一致した。飛び上がらんばかりに驚いた。『本当なのか』と現場で5~10回、入れ墨とピアス跡を確認し、指紋を調べると樋田容疑者であることが確認できた。こんなド田舎に樋田容疑者が現れるなんて正直、たまげた」(山口県警・捜査関係者)