村上:でも、国の中には1人1千万円の借金がたまってるんですよ。その1800兆円というお金は国の中で分けられるお金じゃなくて、個人がためて持ってるわけです。林さんみたいな人が、ためて持ってるんですよ(笑)。林さん、「今持ってるお金を全部放棄しなさい」と言われたらどうします?
林:絶対イヤです!(笑)
村上:イヤですよね。「そのお金を子や孫に渡していこうよ」ということもこの本で言いたいんです。
林:日本人はお金をため込んで、アメリカのように株を買ったり投資をやったりしないんですね。なんでそういう国民性なんですか。
村上:やっぱり皆さん、老後のこととかを考えられてるんじゃないですかね。林さん、いま株やってらっしゃいます?
林:それが聞いてくださいよ。うちの税理士に「超低金利だから株やったらどうですか」って言われて、友人の紹介を受けて、2カ月前に初めて株を買ったんです。
村上:何を買ったんですか。
林:言われるがままに、フリマアプリを運営しているメルカリの株をちょびっと。買って3日で売ったら、ちょびっと儲かったんです。それで味を占めて、老後のために今度から少しそちらのほうに回そうかなと思って。血液と同じで、お金も回さなきゃいけないんでしょう?
村上:株ってこんなに儲かるのかと初心者に思わせるためにメルカリの株をすすめたんじゃないかと思うんですけど、株やってると、スッテンテンになるかもしれませんよ。ハッハッハ。
林:まあ、うれしそうな顔をしておっしゃいますね(笑)。
村上:だいたい初心者は、なぜこの株に投資してるかを考えないで、「儲かった。次はこれだ」と言われるままにやって大損するんです。
林:えーっ、ほんとですか。私、ビットコインもよくわからない。おやりになってます?
村上:勉強はしているけど、やってません。株の話に戻りますが、もし僕がおすすめするなら、どの銘柄というんじゃなくて、日本の株という指数全体をお買いになっておくと、日本経済とともによくなると思ってます。もちろん人口の問題とか、いろいろ問題があるかもしれないけど、いちばん持つべきものは日本の企業全体の指数。日本企業は海外展開を頑張っていて、今後も成長していくと思っています。また、たまりにたまったお金を吐き出す過程でけっこう上がると思っています。