こうした検査で異常が見つかれば、例えば胃がんや大腸がんの場合、内視鏡検査に進みます。胃がんや大腸がんは、がんを見つける検診の段階で内視鏡検査を受けることもできます。
内視鏡検査は、先端にカメラが搭載された内視鏡を口や鼻、肛門から挿入し、モニターに映し出された食道や胃、大腸などの内側を観察します。がんの疑いがある病変を見つけたら組織を採取し、病理検査をします。がん細胞を顕微鏡で観察することで、最終的に悪性か良性かを確定するのです。
■複数の検査を組み合わせ治療方針を決定していく
肺がんの場合は胸部CT(コンピューター断層撮影)検査、乳がんの場合は超音波検査もしたうえで、異常があれば皮膚の上から病変に針を刺して組織を採取する「針生検」などの方法で、病理検査をすることになります。
がんと確定すると、がんの広がりや転移の有無などを調べるために、CT検査やMRI(磁気共鳴断層撮影)検査などを実施していきます。こうして治療方針を決定していくのです。
取材協力/グランドハイメディック倶楽部理事 森山紀之医師、埼玉県立がんセンター 腫瘍診断・予防科長兼部長 赤木 究医師
(ライター/中寺暁子)
※『がんで困ったときに開く本2019』(朝日新聞出版)より