「リトル・ミス・ナイト・アンド・デイ」はボズとの共作。ドイル、チャーリーのギターに、ジム・コックスのピアノの共演をフィーチャーしたテキサス・スタイルのシャッフルだ。

 本作のハイライトはニール・ヤングのカヴァー「オン・ザ・ビーチ」だろう。オリジナルと異なるアレンジだが、ニールらしいメロディーを生かした解釈と表現にボズならではの個性を発揮している。
 ボズが語るには、息子が主催するコンサートに出演した際、息子の提案でこの曲を取り上げることになった。“伝統的なブルースの構成ではないが、ブルースのスピリットがある”として、本作への収録を決めたという。

 そんな経緯を含め、ボズがR&B/ソウル、ブルースという自分自身のルーツにこだわった3部作は、発見が多く、味わい深い。(音楽評論家・小倉エージ)

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小倉エージ

小倉エージ

小倉エージ(おぐら・えーじ)/1946年、神戸市生まれ。音楽評論家。洋邦問わずポピュラーミュージックに詳しい。69年URCレコードに勤務。音楽雑誌「ニュー・ミュージック・マガジン(現・ミュージックマガジン)」の創刊にも携わった。文化庁の芸術祭、芸術選奨の審査員を担当

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