
紀州のドン・ファンこと野崎幸助さん(享年77)が5月24日に急性覚せい剤中毒で謎の死を遂げてから、約3カ月。事件か事故、または自殺か? 和歌山県警の懸命の捜査が続いている。
「当初は、亡くなった日の夜に一緒に家にいた妻か家政婦が、と誰でも思うよな。けど覚せい剤との接点もなく、野崎さんを殺害した証拠もない。今は家宅捜索で押収したものから、野崎さんと覚せい剤の接点になるものを捜査している」(捜査関係者)
現状では早期に解決する見込みはなく、「1年とか、かなり時間がかかるんじゃないか」という声があがっている。
そんな中、野崎さんの経営していた酒店と貸金業の会社は、整理が始まった。野崎さんの会社関係者によれば、すでに酒店は在庫がほぼなくなり、従業員は7月末で退職。貸金業のほうも、弁護士のアドバイスで、貸出先や所有する不動産のリストを作成して、処分する方向だという。今は、会社の役員や貸金業の担当の社員だけが、残務処理に対応している状況だという。
かつて、野崎さんの会社で金庫番だった、元従業員はこう話す。
「銀行預金が5億円から6億円、大手証券会社の口座に3億円くらいあった。不動産は一部、東京にも借金のカタで押さえたものがあったが、それ以外は田舎の不動産なので価値は低い。おそらく、総資産は10億円から多くて15億円だと思いますよ」
そんな中、一部報道では野崎さんが「遺言書」を残しており、地元の和歌山県田辺市に全財産を寄贈すると記されていたという。「遺言書」が正当なものなら、「遺留分」で55歳年下の妻の相続分は、8分の3となり、きょうだいは0となる。野崎さんは愛犬イブが死んだとき、地元の田辺市の市長を「お別れの会に招きたい」と話すなど地元愛が強いようだが、商売は別だったようだ。