総務省の労働力調査によると、16年の上場企業における女性管理職の比率は13%という数字が出ている。
政界でも同様の傾向がある。衆議院議員で、女性の比率は10.1%である。この女性議員の比率は、世界で160位前後を推移している。
つまり日本は、女性議員、女性管理職の割合も、先進国の中では最低水準なのである。
数年前、全国紙2社の幹部から、次のような話を聞いたことがある。
“入社試験で、1次試験では女性が圧倒的に強い。点数の高い女性をいかにして落として、点数の低い男性をいかにして合格させるか。ここに非常に苦労している”
まるで東京医科大の話のようだ。女性差別は東京医科大の問題ではない。それぞれ自社の問題なのである。
半年前に「朝まで生テレビ!」で、出演者全員が女性で、女性の働く難しさを話してもらった。出産して育休を申し出ると、上司から嫌な顔をされて、辞めないかとうながされるというのである。あるいは出産すると閑職にまわされる。だから、総合職で就職した女性たちは出産を回避しようとするのだという。
安倍首相は、国会で働き方改革に力を入れたが、女性たちが働きやすい状況をどうやってつくるのかが差し迫った問題である。
※週刊朝日 2018年8月31日号