実践規範では五つの対策が示された。そのうちの二つは広告に関するもので、フェイクニュースサイトへの広告掲載を阻止するためのシステム確立や、政治広告や政治・経済・社会問題に関するイシュー広告の透明性向上を約束している。後者は2016年の米大統領選挙で行われたような、政治広告を利用した世論操作や分断工作を防ぐための対策となる。
虚偽情報対策の実践規範は、9月までにメディアや市民団体、ファクトチェック機関や学者らによるフォーラムからのフィードバックを受けて、9月末には正式決定される見込みだ。
しかし、現時点ではフォーラムから、「漏れやあいまいな点が多く具体性に欠ける」との指摘も寄せられている。どこまで実効性あるものになるのか不透明な状況だ。
欧州の取り組みが成功すれば、同じく虚偽情報に悩む米国や日本にも有用なものになるだろう。今後の展開に注目したい。
※週刊朝日 2018年8月17-24日合併号