こうした問題を解決するには、足のトラブルを解消するしかないが、桑原さんは、「扁平足や外反母趾、ウオノメ、タコといった足のトラブルの多くは、生まれつき持つ体質によるところが大きい」というのだ。
「特に女性は、男性より靱帯組織が柔らかく、骨や筋肉などがホルモンバランスの影響を受けやすい。そのため、足のトラブルを根本的に解決するのは難しい」
実際、女性のほうが男性より4倍、足のトラブルを抱えやすいと言われている。さらに、加齢により関節組織が硬くなると、足のゆがみによる負荷を吸収する場所がなくなる。その結果、股関節や腰の痛みが悪化する。
では、どうすれば、改善できるのか。
扁平足や外反母趾などの足の変形が腰痛をもたらしている場合、インソール(靴の中敷き)の活用がおススメ。それによって、ラクで正しい立ち方や歩き方に変えていくのだ。
インソールは整形外科などで処方してもらうのが理想だが、市販品でも対応が可能。購入する際は、「できるだけ自分の足の形に合ったもの」で、可能であれば「硬く、かつ薄いもの」を選ぶこと。足の形を崩さないようにすることが大切だからだ。靴のつま先やかかとだけに貼る柔らかいタイプのインソールではないので、ご注意を。
「インソールは入れ替えが可能なので、靴ごとに買いそろえたり、作ったりする必要はありません。合うものを一つ作っておいて、その日に履く靴に入れればいいだけです。使ってみると、歩きやすさや足腰への負担が減った感じがわかると思います」(同)
腰痛の原因になるのは、足のトラブルだけではない。シューフィッターで、ランニングシューズの開発を描いたテレビドラマの監修を務めた、「足と靴と健康協議会」事務局長の木村克敏さんは、こう言う。
「自分のサイズに合っていない靴を履くことで、知らないうちに下半身に力が入り、正しい歩き方ができなくなる。それが腰痛につながっている可能性がある」