「やはり、ミスが目立ったので川島永嗣選手(フランス・メス)でしょうか。市場価格が3千万円と低いので、さらに下がることはないでしょうが」
良藤氏が挙げたのは山口蛍(セレッソ大阪)。
「西野朗監督が守備の局面で起用した山口選手は、本来の良さを十分に発揮できませんでした」
W杯で選手は評価を高める機会を得るが、障壁もあるという。
「有望選手はW杯前に獲得せよと言われます。活躍されると、市場価格が上がるからです。本田圭佑選手は2010年南アフリカ大会で大活躍して市場価格が上がってしまい、当時所属していたCSKAモスクワからACミランへの移籍話が頓挫しました」(木崎氏)
とはいえ、市場価格が上がると収入は増える。知名度が上がれば、企業のスポンサー契約料なども入ってくる。
アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した18年のスポーツ選手の収入ランキングで、上位5人にメッシ(アルゼンチン)、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、ネイマール(ブラジル)と、サッカー界のスーパースターが顔をそろえた。
ちなみに、5年前はデビッド・ベッカム(イングランド)が約47億円で8位につけていた。当時の上位はゴルフやテニス、バスケットボール、アメリカンフットボールの選手が占めていただけに、現在のサッカー界の活況を呈する結果と言ってもいい。確かに、世界の推定市場価格に目を向けると、トップはネイマールとメッシで、232億円。目が飛び出るほどの評価だ。
フォーブスのランキング上位100人のうち、日本人はテニスの錦織圭が38億円で35位、メジャーリーグの田中将大が26億円で95位だった。いつの日かランキング入りする日本人サッカー選手が出現するのではないか──。今回の日本代表の活躍に、そんな期待が膨らむ。
そして、4年後のW杯を見据え、すでに有望株が頭角を現している。
「ポルトガルで活躍する中島翔哉選手は、市場価格が日本代表の香川に次いで10億円になるとも言われています。堂安律選手、伊藤達哉選手といったオランダやドイツで活躍する若手もこれから市場価格が上がるでしょう」(木崎氏)
(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2018年7月20日号